加速器施設の運転保守
幅広い応用に対応できるイオン加速器群と先端技術を駆使した多数の実験設備を用いて、２１世紀の世界をリードするバイオ技術や最先端材料の研究開発が高速のイオンビームを利用して行われており、新しい放射線利用を先導する研究拠点とし て優れた研究成果が次々と生み出されています。
弊社では、イオン加速器施設のサイクロトロン/シンクロトロン及び静電加速器並びにそれらに付属する諸設備の運転保守を受注し、この世界的レベルの研究活動を支援しています。
また、先進医療に用いる粒子線がん治療施設や未来を拓く核融合実験施設における運転保守などにも貢献しています。
サイクロトロン
サイクロトロンはイオン加速器の一種であり、水素から金やビスマスに至る多種類の元素イ オンを数億電子ボルトの高エネルギー領域まで発生できる高精密な大型装置です。カクテル加速技術などによりイオン種を迅速に切り替えて、安定かつ効率的に加速ビームを供給する高度な運転、１千分の１ミリ以下までビームサイズを絞るマイクロビーム及びその位置精度内でイオンを一つ一つ打つシングルイオンヒット、 最大10㎝角程度に均一に照射するなど、研究者の高度な要求に応える多目的運転を実施しています。
静電加速器
数万〜２千万電子ボルトの広い中・低エネルギー領域をカバーするイオン加速器である静電加速器では、上記同様のマイクロビーム、シングルイオンヒットに加えて、フラーレンなど多原子/分子のクラスタービーム、一つのターゲットに複数種のイオンを同時に照射する多重照射など、研究者の高度な要求に応える多目的運転を行っています。
付属設備の運転保守
イオンビームをはじめとする放射線を利用する研究施設には、空調換気設備、電気設備、放射性廃棄物処理設備等が付属されています。弊社は中央制御によりこれら設備の運転を行っています。
空調制御
研究施設の環境を最適に保ち、研究活動を円滑に進めるため、またイオン加速器を安定に運転し、加速ビームを精密に操作するため高度な空調換気設備が設置されています。弊社では、この重要な役割を果たす設備類を常に点検制御しています。
研究支援
実験支援
イオンビーム、電子線、ガンマ線などの特異な性質を利用することにより、新たなバイオ応用技術の開発や先端機能材料の創 製が期待できます。弊社では、このような研究・技術開発にかかる調査、コンサルティング及び実験支援を行っています。また、宇宙・原子力・核物理関連施設で用いる半導体や絶縁材料/部品、検出/動力等の機器類などの耐放射線性評価のための実験支援を行っています。
放射線管理
イオンビームを高いエネルギーに加速して利用する研究施設を安全に稼働し、安心して研究活動がで きる環境を維持するためには、施設内の放射線量や放射性物質を厳重に管理する必要があります。
弊社では、このような放射線管理の一部を受託し、安全な研究開発の遂行に協力しています。
